2013/12/17 XOTIC Presents 『Chuck Rainey ベースクリニック@BLUE MOOD』
東京でも寒波が押し寄せ、冷え冷えとした築地BLUE MOOD。そんな寒さの中、立ち見が出る程の満員のお客さんが来場。チャックの人気が伺えます。聞くところによると、このお店は開店してから2年程の新し いお店。チャックもえらく気に入った様子。「ここでまた何かやりたい」と言っておりました。
19:30に開演されると、1部に菰口(こもぐち)雄矢バンドの演奏があり、若く新鮮な演奏を聴かせてくれました。
いよいよ2部のクリニックが開始される。MCを務めるのは、チャック・レイニー日本公式サイトを制作・管理されている有瀧敬之氏。今日のクリニックの説明 と、このサイトの中に記載されているチャックのBIOGRAPHY(プロフィール)を読み上げて頂きました。詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。
バイオグラフィ(https://www.chuckrainey.jp/biography/)
そして待望のチャック・レイニーが入場。通訳はチャックの日本での秘書、津吉さんが務めます。有瀧氏、津吉さんもここ数年チャックと行動を共にしているので、チャックも終始和やかな面持ち。初めにチャックから、21才の頃からベースを初めたと言う話や、それにまつわる話等、彼の脈々たるキャリアの、ほんの一部ですが聞く事ができました。
そして有瀧氏より、チャックがこれまでやってきた莫大なレコーディングから、数枚のアルバムが紹介される。QUINCY JONES、ARETHA FRANKLINを始め、LABELLE、DONALD BYRD、NANCY WILSON、MARLENA SHAW。CORNELL DUPREE 、BETTE MIDLER、MARVIN GAYE、STEELY DAN等を紹介。ARETHA FRANKLINのアルバムにまつわる逸話は、とても普段聞く事が出来ない話であり、会場からも驚きの声が聞こえる場面も。また、これらのアルバムジャケットの写真が変わる度に、ニコニコとうなずくチャック。会場のお客さんも興味津々。スタッフが見つけたお宝写真では、1963年の若かりし頃のチャックの写真もあり、会場はどよめきの声が。チャック本人も初めて見るらしく、「とても貴重な写真」と言っていました。
また、2011年3.11の震災後の5月の来日では、日本のスタッフが「大丈夫」と言う事を信じての来日だった事が判明。当時、殆どのミュージシャンが来日をキャンセルする中、私たちを信じて来てくれた事に、驚きと共に、改めて感謝する一幕もありました。
次の質問コーナーに移ると、チャックはどの問いにも、わかりやすく丁寧に答えており、とても真摯な受け答えに、会場も感銘を受けている様子。しかし毎年一緒に来日しているMARLENA SHAWでの質問の時、それは彼女とのライブの質問だったのですが、「最初に彼女と会った時、それは奇麗な人だったよ」と、お茶目な発言もあり、会場を沸かせていました。次に日本でも有名なSTEELY DANの話の中で「貴重な体験であり、その場にいた事に感謝する」と話していた事が印象的でした。
最後の質問は、自己の最新アルバム「INTERPRETATIONS OF A GROOVE」についての質問でした。2011年の脳梗塞を煩ってからは、大変な思いをされ、ちゃんとしたプロモーションも出来なかったようです。しかし ここ数年で見事に復活したチャック。今回は握力もかなり回復して来たようで、日本でも意欲的に活動をしたいとの事。今後の増々の活躍を期待しましょう。
今回はXOTIC Presentsとあるように、チャックが最近使用しているベースを、XOTICの黒川さんより紹介して頂きました。解説後、抽選で選ばれた方6人が最前 列で、XOTICベースを実際に触れて頂くと言う企画が行われました。抽選するのはもちろんチャック。当たった方は、嬉しい笑顔と共に最前列の席へ。早速 XOTICベースに触れて頂く。と、ここでチャックから提案があり、1人1分ずつ、「ベースで自己紹介をして欲しい」とリクエストがあり、みな緊張しつ つ、ステージへ。6人が、それぞれ独創的な表現でベースを弾く姿にチャックもご満悦。壇上に上がられた方は、この上ない貴重な経験をされたのではないで しょうか。そしていよいよチャックの演奏が始まると、会場内はチャックに釘付け。たった2分間でしたが、しなやかで表情豊な演奏に、みな固唾を飲んで聞き入っていました。
チャックは学校の授業やクリニックのため、数曲のデモンストレーションを常に用意しておりますが、今回のクリニックでも、デモンストレーションをやっていただけないかと、お願いしてみたところ快く引き受けて頂きました。そして選ばれたのはなんとSANTANAの曲。演奏が始まるや否や、ものすごい重低音が!さすがベーシストの巨人!4~5分の演奏でしたが、会場中がベースの渦に包まれる瞬間でした。
最後にチャックからの挨拶があり、「毎年日本に来れて本当に嬉しい。とても感謝しています」とコメント。チャックは日本が大好きなようです。その後 はいつものように、サイン会と写真撮影。またこの日は終演後にXOTICのベースを触れる事も出来、試奏される方も多く見受けられました。こうしてクリ ニックは無事閉幕。次回のクリニックが今から楽しみです。
今回の来日ではクリニック以外に、福岡、大阪、名古屋、東京の学校での講義があり、各校のレポートを作成中です。こちらも近日公開いたします。